2025年末から2026年にかけて、パソコンとスマートフォンの価格が急上昇しています。「買い替えようと思ったら急に高くなっていた」という経験をした方も多いのではないでしょうか。
食品や光熱費とは異なる構造的な要因が重なっており、この値上がりはしばらく続く見込みです。
なぜ今、PCとスマホが値上がりしているのか
主な要因はAI需要による世界的なメモリ不足です。
ChatGPTなどのAIサービスは、インターネットの先にある巨大なデータセンターで稼働しています。AIの処理には膨大なメモリが必要で、世界中の企業がデータセンターを競って拡張しています。その結果、メモリメーカーは利益率の高いデータセンター向け製品の生産を優先し、一般消費者向けのPC・スマホ用メモリの供給が後回しになりました。
大手メモリメーカーのマイクロンは2025年12月に一般消費者向けメモリブランドから撤退し、データセンター向けに経営資源を集中させる方針を明確にしています。
これにより、PC用メモリ(DDR5・LPDDR5)の価格は2025年秋から急騰。DRAMのスポット価格は2024年末と比べて大幅に上昇しています。
パソコンの値上がり状況
国内PCメーカーは2025年末から2026年初頭にかけて相次いで値上げを発表しました。
受注生産PC(BTOメーカー)への影響が特に深刻で、マウスコンピューターは2026年1月4日から値上げを実施し、一部メーカーは受注を一時停止する異例の事態となりました。
富士通は2026年2月時点で「部材価格上昇が継続する見立て」としながらも具体的な値上げを決定しておらず、メーカーによって対応が分かれています。
値上がりの目安 メモリ不足の影響で部品コストが全体で8〜15%押し上げられる見通しで、製品価格への転嫁も同様の幅が予想されます。
スマートフォンの値上がり状況
スマートフォンもメモリ不足の影響を受けていますが、大手メーカーは長期的なメモリ供給契約を持っているため、PCほど急激な影響は出ていません。
ただし影響は免れない状況です。IDCの調査によると、2026年のスマートフォン平均販売価格は前年比約8%上昇すると予測されています。Counterpointの調査でも約6.9%の上昇予測が出ており、複数の調査機関が値上がりを予測しています。
2026年3月に発売されたサムスンの「Galaxy S26 Ultra」は、前年モデル(Galaxy S25 Ultra)と比べてSIMフリーモデルの価格が上昇しており、フラッグシップモデルでも値上がりが確認されています。
メーカーの対応策 安価な中・低価格帯モデルでは、コスト上昇への対処として以下の動きが出ています。
- RAMやストレージ容量の削減
- 採算が合わないモデルの廃止
- 旧世代プロセッサの継続採用
「性能はそのままで価格だけ上がる」ではなく、「価格を抑える代わりにスペックが落ちる」という形の実質値上げも起きています。
円安の影響も続く
メモリ不足に加えて、円安も日本市場での価格上昇を押し上げています。PCもスマホも部品の多くが海外製で、円安が続く限りコスト増が続きます。2024〜2026年の円安進行は、デジタル機器価格の構造的な押し上げ要因になっています。
買い替えのタイミングをどう考えるか
| 状況 | 判断の目安 |
|---|---|
| 今すぐ買い替えが必要 | メモリ不足解消の見通しが立っていないため、早めに購入する方が選択肢が多い |
| まだ使える | メモリ不足が解消されるまで待つ選択肢もある(ただし時期は不明) |
| 予算が限られる | 在庫がある旧モデルや型落ちモデルで価格を抑える |
メモリ不足がいつ解消されるかは現時点で見通しが立っていません。急ぎでなければ市場の動向を注視しつつ、必要なタイミングで購入するのが現実的です。
出典: IDC・Counterpointリサーチ予測、Forbes JAPAN、日経クロステック、ハフポスト日本版(2026年6月時点)

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